室町呉袋
STORY
呉服商の蔵に眠るアンティーク着物生地との出会い
京都中心地を南北に走る烏丸通りのひとつ西側に位置する室町通り。
かつて足利3代将軍義満が「花の御所」と讃えられた室町殿を、
室町通今出川付近に造営したことが室町幕府、および室町時代の由来となっています。
その後、室町通りは江戸時代から呉服の街として盛え、全国有数の呉服問屋街に発展、
現在も創業数百年の老舗呉服問屋が軒を連らねています。
しかし、ライフスタイルの変化とともに、
日本人が着物を着る機会、着物を買う機会は数十年前に比べてぐっと減り、
近年、京都市の呉服出荷率は全盛期から93%減少したと言われています。
このような時代背景の中で、
「着物に仕立てられる機会がないまま、ずっと蔵に眠っている美しい反物が数多くある。
それらをアップサイクルさせて、新しい価値ある製品を作れないか」
という呉服商たちの想いを受けて始まったのが、室町呉袋プロジェクトです。
WHAT IS
室町呉袋とは?
「室町呉袋」は、
京都中京区室町通の呉服商と
一緒に選品した呉服用反物生地で作った袋。
という意味です。
FEAUTURES
呉服用反物生地の特長
01. 希少価値の高い一点モノ
「室町呉袋」の素材である呉服用反物生地は、アンティークの反物生地です。
京都室町の呉服問屋から出荷され、日本中の呉服店に陳列されていたモノや
室町の倉庫に眠っていたモノと様々な歴史を持っています。
古い反物の中には1970年代のモノもあり、
希少価値の高い一点モノの生地も多くあります。
室町呉袋の素材は、大島紬、結城紬、黄八丈などの高級呉服生地をはじめ、
浴衣用の生地、訪問着や羽織用の生地など多岐に渡ります。
さらに、袋帯や名古屋帯などを使用した豪華な商品の生産も始まっています。
02. ユニークで大胆なデザイン性
呉服用反物生地には、日本中の反物職人達の技術が集結しています。
蔵に眠っていたアンティーク反物生地の全ては、
彼らが技術を出し惜しみせず、手間暇を掛けて作り上げた反物達です。
ぜひ「室町呉袋」を通じて、呉服用反物のユニークで
大胆な柄行きを楽しんで下さい。現在ではなかなか出逢えない、
見ているだけで楽しくなるデザイン性の高い逸品ばかりです。
COMMITMENT
室町呉袋のこだわり
01. ユニークな柄を生かす平面バッグ
アンティーク反物生地は、それぞれがユニークで個性的な色味やデザインを持っています。
そのため「室町呉袋」では、反物職人達が丹精込めて作った美しい生地の持ち味を最大限引き出せるよう、平面での商品作りを中心としています。
02. 生地の個性を見極めた素材の組合わせ
室町呉袋の表地となるアンティーク生地には、絹、綿、ウール、ポリエステルなど様々な素材があり、また色味も多種多様です。
松本商店は、それら生地各々の個性を見極め、一つ一つ表地、裏地、持ち手を組み合わせます。
03. デザイン性も、丈夫さも
室町呉袋の裏地には、麻と綿の混紡糸で織ったワッシャー加工の生地や、アンティーク生地と風合いがそろう
カーテン生地(麻調ポリエステル)を選定。また持ち手には、茶道具や帯締めに用いられる真田紐を使用し、
デザイン性はもちろん、袋の丈夫さも追求しています。
04. 全ての商品が一点モノ
表地に使用するアンティーク生地のため、汚れがある部分は丁寧に取り除いて、使える部分だけで
商品化しています。 また、大柄の生地であれば切り取る部分によって見える柄が変わってくるため、
室町呉袋には、全ての商品が一点モノというおもしろさがあります。
05.ゴミを出さないモノつくり
室町呉袋は、生地に余りを出さないよう裁断の仕方も工夫しています。
例えば、トートバックとショルダーバックの大サイズは反物幅をそのまま生かし、小サイズの反物幅から
2つ分型取りできるよう工夫しています。さらに、ポーチ大サイズの型取りで余った部分は
ペンケース用として利用し、できる限りゴミを出さないモノつくりを追求しています。
同時に松本商店では、古くから日本人の生活の中で使われてきた尺貫法による「尺」を基準にした
サイズ展開に拘り、今までもこれからも、日本人の生活に なじむアイテムの開発を心がけています。
SOCIAL CONTRIBUTIONS
室町呉袋の目指す社会貢献
01. 蔵に眠ったままのアンティーク生地の「アップサイクル」
昨今叫ばれるSDGsの取り組みの一環として、「アップサイクル」が注目されています。
「室町呉袋」を通して松本商店が実現したいことのひとつが、
まさに美しいアンティーク生地のアップサイクルです。
長く蔵に眠ったまま陽の目を見ることのなかったアンティーク呉服用生地を、
使い勝手やデザイン性にもこだわりながらバッグに変身させることで、
アンティーク生地を今までにない価値のある商品としてお届けします。
02. 京都の縫製工場の職人さんたちへ新しい仕事を。
長く続くコロナ禍においてモノの消費は冷え込んだことにより、
高い技術力を持ったまま職を失った方が多くいます。
京都の縫製業界もまた例外なく大打撃を受けているのが現状です。
松本商店は、「室町呉袋」を通じて、今までになかった新しい価値ある商品を
生み出すと同時に、縫製職人の方たちに新しい仕事を届けることにも意欲を燃やしています。